ご近所づきあいは大切に
さて、あなたや家族、そして家をねらう犯罪者といえば、空き巣やストーカーなどが真っ先に思い浮かびますが、最近のご時世では、犯罪者になり得る対象として、忘れてはいけない存在があります。それは、ご近所。
近隣トラブルがエスカレートして事件となった例は、小さな事件を含めれば相当な件数になると思われます。
そして、こういった事件は、もともと普段の言動や人格等に問題があった人ばかりが起こすとは限りません。「まさかあの人が」と近隣のインタビューでもよく出てくるように、普段はごく普通の人が、ある日犯罪者となってしまうことも少なくないのです。そしてその中には、被害者のこれまでの態度などが大きな原因となっているものもあります。
人間の感情というのは面白いもので、たとえばまったく同じことをされていても、好きな相手のやることなら好意的な目で見ることができますが、嫌いな相手などが同じことをやると、どうしても悪意的にとらえてしまいがちです。
たとえば、子供が大きな声を出してワイワイと遊んでいる声でも「○○くん、今日も元気にやってるねー」と感じるのと、「毎日毎日ギャーギャーとうるさいったらありゃしない…まったくどんなしつけをしているの?」と感じるのとでは、日々のストレスのたまり方もまったく違います。前者はストレスとすら感じないでしょう。
このように、人の言動にたいする感情を大きく左右するのは、いうまでもなく、その人たちとの日ごろからの人間関係です。
ですから、ご近所との円滑な人間関係というのは、トラブル回避のためにも欠かせないポイントといえるでしょう。たとえば、お隣が大音量で音楽を聴いていてイライラするから、こちらも向こうが静かになったら大音量で仕返し、なんてことをやっていては、いつかは加害者もしくは被害者になってしまう、なんてことも十分ありえます。
自分たちの言動が、普通の人を犯罪者に変えてしまうのです。
こんな悲惨なことにならないためにも、自分自身のスタンスとしては、「人からの迷惑は、多少のものなら寛大に受けとめ、こちらが迷惑をかけているかどうかは、少し厳しい目でチェック」というのがちょうどいいのではないでしょうか。
人というのは、自己採点は甘くなりがちですから、少し自分たちについては厳しいぐらいの目で見るのがいいと思います。
ご近所は、円滑な関係さえ築くことができていれば、頼もしい味方となってくれる存在です。そのためにはまず、普段から、目が合ったら明るくあいさつ。これだけは、最低限の基本として心がけることをおすすめします。
ご近所同士が声をかけ合い、お互いの顔を覚えることによって、不審者はそれだけでその場に入りづらくなるのですよ。
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